2013年6月2日(日)、ソニックデザインが主催する初のお客様向けカーオーディオイベント「ソニックデザイン リスニングキャンプ」が、山梨県山梨市の「山梨県笛吹川(ふえふきがわ)フルーツ公園」を舞台に開催されました。当日は好天にも恵まれ、延べ100組(100台)を超える個人参加車両にご来場いただくとともに、認定販売店からは12店舗・計14台のショップデモカーが会場に集結。開催までの告知期間が短かったにもかかわらず、ソニックデザインオーナーや販売店のみなさんからの積極的な呼びかけもあって、予想を超える大勢のお客様とお会いすることができました。
これまでもホームページなどでお伝えしてきましたように、ソニックデザイン リスニングキャンプは「細かなスケジュールを設けない」「誰でも申し込みなしで好きな時間に立ち寄れる」「参加者のお名前や連絡先を敢えて伺わない」「コンテストなどの勝負をしない」といった"ユルい"イベントを目指しています。これは弊社が初めて主催するお客様向けイベントとして、カーオーディオの楽しさをもっとも純粋に、また身近に味わっていただくにはどうしたら良いかをいろいろ考えた結果なのですが、果たしてこの"ユルい"コンセプトをお客様に受け入れてもらえるかどうか、混乱や事故など不測の事態が発生しないか、スタッフ一同、正直不安もありました。しかも当日の天気予報は雨。会場に設営するテントの数を倍に増やしたり、交通整理のアルバイトも増員したりと、"ユルい"中にも出来る限りの手を尽くして本番に臨みました。
そして迎えた当日の午前10時、個人参加のお客様のクルマが会場に続々と入り始めました。場内は奥がショップデモカーのゾーン、中央付近がソニックデザインのデモカーとサウンドクリニックのゾーン、そして出入口に近い手前側が試聴デモ可能な個人参加車両のゾーンになっていて、試聴デモを行わない個人参加車両は隣接する一般駐車場へと案内されます。初回ということもあって、試聴デモ可能ゾーンに乗り入れることを躊躇されるソニックデザインユーザーの方も多かったようですが、ユルい雰囲気は会場の中も外もたいして変わりません。今回ちょっと躊躇しちゃったみなさん、ぜひ次回は「聴かせる側」も楽しんでくださいね。
さて、このイベントでもっとも人気を集めていたのは、何といっても全国12店舗の認定販売店が製作した14台を比較試聴できるショップデモカーのエリアでした。最近は全国規模のカーオーディオイベントが少なく、各地の有名ショップのデモカーを一度に聴ける機会はなかなかないそうですが、ここでは遠慮なく聴き放題。人気の高いクルマは常に試聴待ちの人が何人かいる状態だったものの、長い時間行列しなければ聴けない、というほどは混んでいなくて、多くのみなさんに満足していただけたようでした。また、ショップデモカーの傾向として特徴的だったのは、2本の52mm口径ユニットをひとつのエンクロージュアに収めたデュアル52mmフルレンジドライバー・モジュールのD52Nを装着した車両が増えたことです。大きな潜在能力を秘める反面、使いこなしが難しく、エージングにも時間がかかると言われてきたD52シリーズですが、どのデモカーもその難関(?)を見事クリアして、他のスピーカーでは聴けないスーパーフルレンジならではのサウンドを奏でていました。ソニックデザインらしさを凝縮したこのスピーカーが、プレミアムラインの新たな主役として確実に成長しているんだなあ、と改めて感じました。
※上記の販売店リストは東日本→西日本の順に記載しています。
会場の中央付近では、オーディオ評論家の黛 健司さんによるサウンドクリニックと、ソニックデザインのメーカーデモカーの試聴が行われました。カーオーディオ評論の第一人者である黛さんから直接アドバイスが受けられるということもあり、用意された10組分の枠(先着順の事前申し込み制)はすぐに一杯になりました。ソニックデザイン製作のデモカーは2台あって、白いメルセデス・ベンツCLSにはD52N×4台とリアトレイに埋め込んだカスタムメイドの薄型サブウーファー(SD-N77N×2本搭載)をデジコア808iで鳴らすプレミアムラインのハイエンドシステムを搭載。もう1台の黒いプリウスには、現在開発中という30系プリウス専用の「ザ スウィート プリフィクス」の試作品が装着され、こちらも多くのみなさんに試聴していただきました。このうちCLSのほうは、今後セールイベントなどに合わせて全国各地の認定販売店を巡回する計画ですので、聴き逃してしまった人は楽しみにしていてくださいね。
いっぽう、延べ100台を超える個人参加車両のオーディオも、ショップデモカー顔負けのハイエンドシステムあり、SonicPLUSを純正位置にさりげなく装着したシンプルなシステムあり、初代「SYSTEM77」などソニックデザインの初期製品を大事にお使いいただいているベテランオーナーのシステムあり、と実にさまざまでした。参加者が自由にコミュニケーションを取って試聴や情報交換を楽しんでいただく、というリスニングキャンプのコンセプトに最初は少し戸惑っている方もいらしたようですが、そこはソニックデザインのオーナー同士。音づくりやシステムアップなど共通の話題で盛り上がったり、お互いのオーディオを比較試聴したり、思い思いのスタイルでミーティングを楽しんでいただけたようでした。さらに午後には会場中央のステージ付近で、注目の個人参加車両を製作ショップのスタッフとオーナーによってアピールするミニイベントも実施するなど、午後3時のイベント終了時刻まで、あっという間の5時間でした。
休日のドライブのついでに、気軽に立ち寄れることを目指した「ソニックデザイン リスニングキャンプ」。これまでのカーオーディオイベントとはひと味違う和やかな雰囲気で、ご家族やお子様連れのお客様にも多数お越しいただきました。初めての開催ということで至らない点も多々あったこととは思いますが、次回はもっと有意義に、もっとユルユルに、参加者のみなさんと素晴らしいカーオーディオの世界を心から楽しめる場にしていきたいと考えております。それでは、秋に開催予定の次回「ソニックデザイン リスニングキャンプ」で、またお会いしましょう!
最後になりましたが、サウンドクリニックのアドバイザーを務めたオーディオ評論家の黛 健司さんから、当日ご参加いただいたみなさんへのメッセージを紹介させていただきます。
まったく新しい形態のカーオーディオイベントの誕生を喜びたい。6月2日(日)山梨県笛吹川フルーツ公園で開催された、ソニックデザイン・リスニングキャンプは、音楽とカーオーディオを愛し、クルマが好きでたまらない趣味人が集まった、希に見る雰囲気のよいイベントだった。コンテストで順位を競ったり、ドレスアップの派手さを自慢しあう従来のイベントとは異なり、大人がカーオーディオを通じて「会話」を楽しめるのがリスニングキャンプの特徴だろう。
私は「サウンドクリニック」を担当したが、大袈裟な「カーオーディオ診断」などではなく、オーナーとクルマの中で音楽を聴きながら、「オーディオ談義」を楽しませていただいた。「日頃よく聴いている曲を聴かせてください」と予めお願いしてあったので、参加者はみなさん「とっておきの1曲」を聴かせてくれたが、最初の音が鳴り出したとたん、その人のオーディオ感、音楽感がものの見事に判るのが面白かった。
システム装着後10日に満たない人や、同じスピーカーをクルマが変わっても10年以上も使い続けている人など、さまざまなオーナーに音を聴かせていただき、お話しを伺ったが、みなさん真摯に音楽とオーディオに取り組んでいることは共通で、それが装置の音から伝わってきた。
初対面の人でも、まるで旧知の友人同士のごとく、心を開いて和やかにお話しできたことが嬉しかった。すでに主催者は次回のイベントに向け準備を始めたと聞く。貴方もサウンドクリニックに応募して、音楽談義、オーディオ談義を楽しみませんか。