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ソニックデザイン サウンドアスロン2 イベントフォトレポート

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猛暑の続いた7月から一転して8月は悪天候の連続だった。それでもリスニングキャンプを始めソニックデザインのイベントは、いつも過ごしやすい晴天に包まれる。今回もその例外ではなくて、ホッと胸をなで下ろす。天気の話から入ったのは、この日は路面のコンディションがとても重要な要素を占めるから。昨年に引き続いて2回目となる「ソニックデザイン サウンドアスロン2」が8月23日(日)に開催されたのだ。
モータースポーツとカーオーディオの融合という新しい概念のもとに誕生した同イベントは、その名の通り、モータースポーツの楽しさと、カーオーディオ趣味の魅力をミックスさせたもの。舞台となったのは山梨県韮崎市にある「スポーツランドやまなし」。中央道「韮崎IC」を降りて、昇仙峡ラインを通って山を登ること15分程度の場所にあるミニサーキットである。関東や中部エリアからも程よい距離で、会場自体は四方を山々に囲まれた標高の高い場所にある。いい音と共にドライブするにもぴったりのエリアだった。

荒 聖治選手が愛車と共にやってきたソニックプラス装着車もズラリと並んだ

サウンドアスロン2の目玉ゲストとして今年も駆けつけてくれたのは、日本はおろか世界中のトップカテゴリーで活躍し、現在もSUPER GTを始め現役で挑戦を続けるレーシングドライバー、荒 聖治選手である。それもご自身の愛車を持ってきてくれた。昨年の同イベントではトヨタ・スープラのフルチューニングカーがコースを全開ドリフトで駆け抜けたが、今年はその役割を新しい愛車であるトヨタ・マークⅡが担うという。一見、4ドアセダンで大人しくも見えるマークⅡだが、リベット留めのオーバーフェンダーや図太い音色を奏でるマフラーなど、随所に走りの雰囲気が見え隠れする。エンジンもドリフト用にパワーアップされているとか。そしてもう1台は、赤いトヨタ86。この86は、タイヤこそSタイヤに変更されているものの、それ以外は全くのノーマル。同乗走行では、荒選手がこの86のポテンシャルを最大限引き出してくれる。冒頭で天候と路面状況に喜んだのは、この2台が全開で走る姿を目の当たりにすることができるからだ。

会場には荒選手の愛車に加え、ソニックデザインや、各認定販売店のデモカーがずらりと並んだ。つい先頃、金沢、山梨、名古屋、神戸に新規出店されたことで、既存の新潟、大阪と合わせて全国6店舗へと拡大したソニックプラスセンターのクルマが中心となった。具体的には新潟、山梨、名古屋、神戸からデモカーがお目見えし、それぞれ純正フロントスピーカーとボルトオン&カプラーオンで交換できるエンクロージュア一体型スピーカーパッケージの魅力を訴えた。その仕様や価格帯に敷居の低さを感じ、なのにクリアで芯の強い音質には、試聴した来場者の多くが驚きを隠せなかったようだ。お馴染みのカーオーディオ専門店、ベイシスやサウンドクリエイト金沢、オートブラストのデモカーも試聴する方が多かった。

サーキットイベントというと会場内の移動が大変なことが多いが、あえてコンパクトなサーキットを選んでいるサウンドアスロンでは、プログラムが変わるごとに大移動をする必要がなく、各アクティビティを見逃すことがない。流れるようにトークショーや荒選手の走りを楽しんで、ファミリー走行の合間にデモカーを試聴するといった具合だ。各認定販売店にカーオーディオの相談をするいい機会でもあるし、またはここぞとばかり荒選手に質問攻めする方や、あるいはサインを貰う方もいる。世界的なレーシングドライバーがすぐ話しかけられる距離にいて、さらには荒選手のほうから参加者に話しかける姿も見られるのは、サウンドアスロンならではの特長だと思う。イベントの趣旨通り、カーオーディオとモータースポーツの話が飛び交う、濃密な時間がそこには流れていた。

ソニックデザイン公式デモカー

認定販売店デモカー

カーオーディオ・トークショー 午前・午後に分かれるトークショーは片時も聞き逃せない濃い内容

開催のご挨拶の後、プログラムはトークショーから始まる。今回は荒選手とフリーアナウンサーとしてご活躍される鈴木春花さんとの軽妙な掛け合いで進行していった。荒選手はもちろん、鈴木さんもまたソニックプラスのユーザーであり、「いい音と共に過ごすカーライフ」を実践しているので、話はその辺りの実体験から始まった。
「僕はレーサーであると同時に、趣味としてのクルマ好き目線を忘れたくない。ソニックプラスは気に入っている愛車の内装を、加工することなく装着できて、なおかつ運転を邪魔しない程度の音量でもクリアに心地よく耳に届く。年間、数万kmを走る僕の生活のなかでは欠かせない存在ですね(荒選手)」
「まだ小さい娘も音の違いがわかるみたいで、一度ソニックプラスを付けていない代車に乗せたら“いつもと音が違う”って不機嫌で。いい音はいい教育につながるかもしれません(鈴木さん)」
やがて荒選手のレース活動の秘話にまで発展し、普段は聞けない内容をたくさんお話してくれた。トークショーは、午前と午後の2回に分かれておこなわれたが、午前と午後ではまったく違う内容なので、誰もが両方とも夢中で聞き入っていた。
またトークショーの最後には来場者全員が荒選手と闘うじゃんけん大会が開催され、勝ったら荒選手のサインが入ったレーシングカーの写真がもらえたり、また後におこなわれる同乗走行へ当日エントリーできるなど嬉しい特典が多数盛り込まれた。

エキシビション走行 華麗なドリフト走行にドーナツターン熱気とタイヤスモークに誰もが興奮!

トークショーに続いては本イベントの目玉として誰もが期待に胸を膨らませた「荒選手のエキシビション走行」へ。全長1km弱のコースを荒選手ひとりが全開で駆け抜ける。ただの全開ではなく、マシンを右へ左へと振り回す「全開でのドリフト走行」だ。特に来場者の視線が集まる最終コーナーからホームストレートにかけては、車体を真横に向けて横滑りさせながら、後輪から大量の白煙をまき散らし、今にも飛び出しそうなぎりぎりの線で振り回してくれた。最後、ホームコース上でドーナツターンを決めると会場からは多くの拍手が沸き起こった。ほんの数周の出来事とはいえ、いつもドリフト用にたくさん購入しているという後輪用のタイヤは新品をほぼ使い切ってしまったという。
初めてプロのドリフトを、それもタイヤカスが飛んできそうなくらい近い距離で見た方は興奮を隠せなかったようで「クルマがあんな動きをするなんて、信じられない」「こんなに煙が出るんだって驚いた」などと話していた。助手席に同乗した(させられた?)鈴木さんもマイク越しに絶叫していた。

サーキット同乗走行体験 プロのテクニックを真横で見られる走りの勉強として参加する方も大勢

エキシビション走行での白煙が風に流されてクリアになったら、今度はトヨタ86を使って「荒選手の助手席でサーキットを体感する同乗走行」である。参加者が助手席に乗り込んだ状態で、荒選手がハンドルを握りコースを2周ほど、ほぼ全開で走る。それを10人連続で、それも午前と午後の2回も走ったのだから、荒選手の体力はやっぱり凄い。先ほどのドリフト走行とは違って、今度はいわゆるスポーツドライビングの基本となるグリップ走行。外から見ると滑らかに走っているように思えるが、安定しながら速い走行こそがプロの技だ。
「外から見て想像するより、アクセルやブレーキの時のGが凄かった。でも本人はいたって平静で、とてもスムーズに操作している。コーナリング中でも普通に話しかけてきてくれるのには驚きました」と、プロのテクニックに圧倒されたという方がいれば、「プロのハンドルさばき、シフト操作、ライン取りを真横で見ることができて、とても勉強になりました」と、自らも積極的にスポーツ走行を楽しんでいる方にとっては、参考になる部分が多々あったと話していた。

ファミリー走行体験 初めてコースを体感した方も最後はいいペースで走りを楽しんだ

本イベントは自分の愛車を運転して、コースを体感することもできるプログラムが用意されている。それが同乗走行の後におこなわれたファミリー走行体験だ。参加者が連なって走るので、あくまでゆったりとしたペースで走るものの、それでもサーキットという場所をより深く体験するには絶好の機会となった。パドックから見えにくい前半セクションは結構なテクニカルコースだったり、最終コーナーへ下ってくる時は少し恐さを感じるなど、高低差のあるスポーツランドやまなしを実体験した。実際、慣れてくるに連れてライン取りも変わってきたり、パドックから見ているだけでその楽しそうな雰囲気が伝わってきた。参加者のひとりは愛車から降りてくるなり「今まで、休日は子供の面倒を見ていてカーオーディオ趣味しかできなかったけれど、子供も大きくなったし、これからは走りの世界も楽しんでみたくなった」と話していた。

カーオーディオとモータースポーツとの共存を担う、とても有意義なイベントだった

「カーオーディオの趣味と、走る楽しさ。それは別世界でもないし、相反するものではない。クルマ好きという括りの中で共存共栄できると思っています。このイベントをキッカケにして、“カーオーディオ趣味の方が走る楽しさに興味を見出し、また走り好きの方はカーオーディオの魅力を再確認する”ようになったら最高だと思います」と、最後に荒選手はそう括った。
荒選手は、厳しい真夏のレースシーズンの最中、翌週にはSUPER GTの第5戦「鈴鹿1000kmレース」が控えていたにも関わらず、最後まで来場者とレース談義で盛り上がり、子供達を愛車の運転席に座らせてあげるなどファンサービスを絶やさなかった。いや、サービスというより本人自身が心から楽しんでいたようだ。本イベントの最初に「僕はレーシングスーツを着ると近寄りがたい雰囲気に見られるようですけど、単なるクルマ好き兄ちゃんですから、気軽に声をかけてください」と話していたが、まったくその通りの光景だった。
実際、そんな心地よい空気が本人にとっても貴重な息抜きとなったのか、本イベントの翌週に開催された「鈴鹿1000kmレース」では荒選手の乗るStudie BMW Z4が、見事GT300クラスで2位に輝いた。見事な成績を収めた一流ドライバーと1日を共に過ごせたことを嬉しく思い、また、荒選手自身が心から楽しんでいたことを思い出すに連れ「モータースポーツとカーオーディオ」というコラボレーションにはあらためて無限の可能性を感じた。次回の開催が、今から待ち遠しい。
<モータージャーナリスト 中三川 大地>

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